「この人、幽霊とか大の苦手なんです」
「わかった」
 雷が頷いた。
「臆病者だってことね。蓮花、この臆病者がうちらの新しい管理人だそうだ」
 うっ、早くも臆病者の烙印を。しかし事実である。
「いいんじゃない」
 ニコっとする蓮花。やさしいんだな。
「沙羅ちゃんかわいいし」
 そっちかよ。
「ありがとう!」
 沙羅はアイドル様にほめられてごきげんだ。
「蓮花ちゃんみたいな人にそう言ってもらえると嬉しい!」
「こっちこそ、よろしくね」
 二人はそれぞれ両手を差し出し、手を握り合う。
「………蓮花ちゃん、沙羅と手が握れるのか?」
 オレは幻でも見ているのだろうか。長年一緒にいるオレだからこそ感じとれる沙羅だというのに、蓮花はまるで普通に友だちとそうするように沙羅の手を握っている。
 そればかりではない。
「楽しくなりそうだねっ!」
 元気のいい声とともに、雷の手がパン!と沙羅の背中を叩いた。音まで聞こえた。
 い、いったいこれはなんなんだ?
 雷と蓮花が「家のなかを見る?」と誘ってきた。三人はキャッキャと楽しそうに縁側からなかにあがる。オレは呆然としつつ少し遅れて三人を追った。
〈東京ってすげえ〉
 そんなふうに思いながら。
 さすがは東京だ。自分以外にも沙羅が見える人たちがいた。それどころか、雷も蓮花も、兄であるオレより「物体としての沙羅」を「感じる」力が強そうだ。
「これが東京か」
 ひょっとしたら、この大都会でなら沙羅はもっと自由に、楽しく生きていくことができるかもしれない。
 だとしたら、それは素晴らしいことではないか………。

--つづく--

 

はーい、沙羅でっす。まったく犬千代ってば
 わたしから離れる?そんな事出来っこないのにね。
 それにしても、わたしが見える人って結構いるもんだね?
 さすが東京!って東京は別に関係ないか。

次回「巫女と犬小屋」

犬 「うわ、本当にここの住人ってレベル高いや…」
 沙羅「こら、そこの犬!おすわりっ!」
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